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ずらすターンでの脚のひねり(股関節の動き)

ずらすターンを行う時に、加重点を足の裏のどの位置にするかということに関し、親指または母指きゅうに置くという人もいれば、かかとに加重点を置くという人、あるいは足の裏全体に加重をかけるという人もおり、まちまちである。私が最初にスキーを習った時には、母指きゅうに加重をかけるよう教えられた。
加重点をつま先側に置くか、かかと側に置くかによって、スキー板のずれ方が少し違うので、この2つについて述べる。

ずらすターンで加重点をつま先側(母指きゅう、または親指)に置いた場合

加重を母指きゅうまたは親指にかけると、スキー板の前半部分により多くの圧力がかかり、後半部分にかかる圧力は少なくなる。従って、スキー板の後半部分のほうがずれやすくなるので、親指を基点にスキー板のテール部分がずれていって、丸い弧を描いていくような軌跡になる。
この時の脚のひねり運動は、次のようなイメージの動きになる。



まず、母指きゅうまたは親指に加重する。次に親指を基点として図6のように、かかとをターン外側に向かって、同時にひざをターン内側に向かってひねっていく。
このターンコントロールでは、つま先側に加重するので、すねによってブーツの前の部分を押しつけるようにし、それによって、かかとが少し浮くような状態となる。
このターンコントロールを行うに当たって、ブーツはデモモデルのようにフレックスが柔らかくて、足首を前に曲げやすい物のほうがよい。レーシングブーツは、フレックスが堅くて足首の前傾が固定されている上、ブーツの前傾角度が弱いため、どちらかというと、かかとよりに加重しやすくなっているために、つま先よりに加重を集中しにくく、この滑りには向いていない。

ずらすターンで加重点をかかと側においた場合

加重点をかかとに置くと、スキー板の後半部分のほうにより多くの圧力がかかり、前半部分にかかる圧力は少なくなる。
この時の脚のひねり運動は、次のようなイメージの動きになる。



まず、かかとに加重する。次に図9のように、腰の位置(重心の位置)を少しターン内側に移動し、かかとを基点として、図8、図9のようにつま先及びひざをターン方向に向かってひねっていく。
加重点がかかとにあるため、スキー板のトップにかかる圧力が小さいので、つま先をターン方向にひねっていくと、スキー板のトップ部分がターン弧の内側へ向かっていくような軌跡になる。仮につま先よりに加重をかけて、このターンを行おうとすると、トップ部分に圧力が集中するため、トップ部分のインエッジが雪面に押しつけられるような状態となり、エッジが引っかかってスムーズにトップがターン内側へ入っていかなくなるので、ターンコントロールがしにくくなる。

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Author : Masahiro Kaida
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