ターンをコントロールするために、脚をどのように動かせばよいか?

ターンをコントロールするための左右方向の脚の動き(脚のひねり)は、脚の股関節の動きによって行われるということを前に述べた。
股関節を使った脚のひねり方には、ずらすターンを行う際の脚のひねりの運動と、切れるターンを行う際の脚のひねりの運動の2つの動きがある。



上図は、股関節の動きを前方から見た動きである。
股関節の仕組みは、大腿部の骨の付け根の部分は、上図のように球体に近い形態をしており、その凸部を骨盤の凹部が包み込むように結合している。股関節は、上図の3つの動き、及びそれを組み合わせたかなり自由な動きを行うことができる。
図1は、脚を左右方向にひねる場合の股関節の動きである。この動きだけを行った場合には、ずらすターンを行う脚のひねりの運動になる。
図2は、脚を上下方向に動かす場合の股関節の動きである。しかし、この動きだけでは、ターンを行うことはできないので、実際の動きは、図1と図2の動きの組み合わせ、または図1、図2、図3の3つの動きの組み合わせによって、ターンをコントロールする。ずらすターンで伸身の切換を使う場合、または屈身の切換を使う場合は(こぶ斜面での吸収動作等)、図1と図2を組み合わせた股関節の動きとなる。
図3は、脚を横方向に開き出すような動きになる(例えば、両足をそろえてぴたっとくるぶしをくっつけた状態から、両足を左右に開きだした場合の動き)。エッジングを大きくした切れるターンの動きは、図1の動きと、若干の図3の動きを組み合わせた動きとなる。これに伸身の切換、または屈身の切換を使う場合は、図1及び図2及び図3の3つの動きを加えた動きとなる。

ずらすターンと切れるターンの2つの違いは、エッジング角度の大きさの違いであり、ずらすターンはエッジング角度が小さく、切れるターンは、エッジング角度が大きくて、スキー板がずれにくい状態にある。



アイスバーンにおいて、図4、図5のようにエッジが雪面に食い込んでいるとする。スキー板をずらそうとする力はB方向に働く。エッジング角度の小さい図4とエッジング角度の大きい図5を比べてみると、B方向に引っ張られる力に対し、エッジング角度の大きい図5のほうが、エッジがくさびのように働いて、雪面の食い込みから抜けにくいため、図4に比べてずれにくくなる。エッジのくさびとしての威力は、エッジング角度が90度に近くなるほど大きいので、脚の傾きを大きくするほどスキー板はずれにくくなる(但し、エッジング角度が90度になると、スキー板の側面が雪面に当たって、エッジが雪面に食い込まなくなるので、そこまで脚を傾けることはありえないが)。従って、ずれの少ない切れるターンを行うためには、脚の傾きを大きくして、エッジング角度を大きくしなければならない(ずれやすい、アイスバーンでは特にそうである)。

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Author : Masahiro Kaida
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